作家の村上龍さん死去、74歳 『限りなく透明に近いブルー』『カンブリア宮殿』司会など多方面で活躍

『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞し、現代社会の歪みや時代の空気を先鋭的に切り取った数多くの傑作を残した作家の村上龍(むらかみ・りゅう)さんが10月17日、自宅で死去した。74歳だった。出版元の幻冬舎などが発表した。

村上さんは1952年、長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学在学中の1976年、米軍基地の街・福生を舞台に若者たちの退廃的な青春を描いた『限りなく透明に近いブルー』で第19回群像新人文学賞、第75回芥川賞を受賞。鮮烈な文壇デビューを果たし、大きな旋風を巻き起こした。

その後も、社会の周縁から暴力を突きつける『コインロッカー・ベイビーズ』をはじめ、『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『イン ザ・ミソスープ』『希望の国のエクソダス』『半島を出よ』など、圧倒的な筆力と先見性にあふれる小説を次々と発表。政治、経済、社会の変容を見据えた鋭い問題意識は多くの読者に衝撃を与え続けた。また、子どもたちに向けた職業案内書『13歳のハローワーク』はミリオンセラーを記録するなど、幅広い世代に影響を与えた。

文学にとどまらず映画制作や音楽活動、テレビ出演などマルチな才能を発揮したことでも知られる。テレビ東京系の経済トーク番組『カンブリア宮殿』では、放送開始から約20年にわたってホスト役を務め、独自の視点で多くの企業トップや起業家の本質を引き出した。

訃報が伝えられた23日、SNS上では「学生時代に読んだ作品の衝撃が忘れられない」「時代のトップランナーだった」などと悼む声が相次ぎ、トレンドの上位に名前が並んだ。ミュージシャンの佐野元春さんをはじめとする各界の著名人からも追悼のメッセージが寄せられており、一時代を築いた知性の喪失を惜しむ声が広がっている。

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