JASRAC、Xでの「歌ってみた」投稿に注意喚起 - 包括契約なきプラットフォームの課題浮上
SNSプラットフォームX(旧Twitter)上で、JASRAC(日本音楽著作権協会)が管理する楽曲を用いた「歌ってみた」や「弾いてみた」動画の投稿に関する議論が活発化しています。JASRAC公式アカウントが、一部のUGC(User Generated Content)サービスやSNS(YouTube、Instagram、TikTokなど)と包括契約を締結しているため、これらのプラットフォームでは投稿者が個別に許諾を得る必要なく動画を公開できると改めて告知したことが発端となりました。
この公式発表に対し、多くのユーザーがXは包括契約の対象外であることに改めて気づき、動揺が広がっています。実際、複数の投稿で「XはJASRACと包括契約を結んでいない」という認識が共有され、「Xに直接動画をアップロードするのは著作権侵害のリスクがある」と警鐘が鳴らされました。
クリエイターからは、「Xは『見る専門』で、歌ってみた投稿はYouTubeに籠もるのが正解」「イーロン(・マスク氏)がJASRACと契約する予算も削ってしまったのか」「クリエイター目線だと正直この仕様はキツすぎる」といった不満の声が上がっています。現在のところ、Xに投稿する際は個別の許諾申請が必要であり、YouTubeなどに投稿し、そのリンクをXで共有する形が推奨されています。
X社がJASRACとの包括契約を結んでいない背景には、元々Xが動画投稿を主目的としたサービスではなかった歴史的経緯があるとの見方もあります。一部のユーザーは、JASRAC側が約10年前からX社(当時のTwitter社)に包括契約を提案しているものの、X側が拒否しているのが現状だと指摘しており、今後の動向はイーロン・マスク氏の判断に委ねられています。
また、著作権管理団体はJASRACだけでなく「NexTone」も存在し、両団体が管理する楽曲の検索サービスも注目を集めています。さらに、「楽曲の権利」と「音源の権利」は別物であるという重要な指摘もなされました。CD音源や配信されている音源を使用する際には、著作権管理団体への許諾とは別に、原盤権管理者の許諾も必要となる点に注意が必要です。
カラオケボックス内での歌唱動画についても議論が深まり、JASRACの楽曲利用許諾だけでなく、カラオケメーカーの権利、そしてアーティストの肖像権やパブリシティ権など、複数の権利が関与するため、安易なSNS投稿は避けるべきとの意見が上がっています。
JASRACに対しては、その事業モデルや「中抜き利権」といった批判的な声も根強く存在しますが、一方で、国内の動画サイトやSNSにおける音楽利用の著作権規制が他国と比較して緩やかなのは、JASRACの存在があってこそという肯定的な見方も示されています。
今回のトレンドは、多くのクリエイターやSNS利用者が、音楽利用における著作権に関する正しい知識を再確認するきっかけとなりました。XとJASRACの今後の動向が注目されます。
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