「能舞台に土足」問題で波紋広がる、RSKが謝罪も議論は続く

RSK山陽放送が前首相の石破茂氏と小長啓一氏の対談番組を能舞台で収録した際、出演者が土足でソファに座っていた写真がSNS上で拡散し、「能舞台への土足」問題として大きな波紋を呼んでいます。伝統芸能関係者や一般市民から批判の声が殺到し、RSKは「予め床板の上に養生を施した状態で収録を行った」と説明しつつ、謝罪しました。

この問題は、12月27日放送の番組に関連して同社が投稿した写真がきっかけで表面化しました。写真には、能舞台を模した空間に置かれたソファに、石破氏と小長氏が靴を履いたまま座っている様子が写されており、これに対し、多くのユーザーが「神聖な場所である能舞台への敬意を欠いている」と指摘しました。

特に、能楽小鼓方大倉流の清水和音氏は自身のX(旧Twitter)で、「能楽は元々、神様や仏様に奉納する芸能であり、松に向かって奉納する神聖な場所」と強調。「能舞台に土足」という行為が、能楽師として「本当にショック」であると述べ、伝統への冒涜であると批判しました。他のユーザーからも「畳の仏間に土足で上がるようなもの」「伝統文化の神聖な能舞台に土足でソファーはビジュアル的に衝撃的」「無知は仕方ないが、注意しない側が悪い」といった声が上がりました。

一方、RSK山陽放送は29日、一連の指摘を受け、「当社の説明が不十分でしたことをお詫び申し上げます」との声明を発表。収録においては、能舞台の床板保護のため、事前に養生措置を講じていたと説明しました。しかし、この説明に対しても「養生したからセーフは言い訳がましい」「問題は床の保護ではなく、能舞台という神聖な空間への敬意不足」といった反発が相次ぎました。

この会場が多目的ホールとして利用されており、他のイベントでも養生の上で土足での利用があるという意見も一部で見られます。しかし、多くの意見は、その場所が「能舞台」と認識されている以上、日本の伝統文化に対する配慮が不可欠であるという点に集中しています。能舞台は、舞台背後の「鏡板」に描かれた「老松」が神の降臨する依り代とされるなど、精神的な核心を持つ特別な空間とされています。

今回の騒動は、伝統的な神聖な空間を現代の多様な用途に活用する際の、文化的な感性や配慮のあり方について、改めて社会に問いを投げかける形となりました。RSKの謝罪後も、伝統文化への敬意と現代的な利用とのバランスを巡る議論は続きそうです。

コメント

このブログの人気の投稿

小学生空手大会で起きた後頭部蹴り事件、蹴られた方が3年間出場停止に 世論の批判が殺到

「肉屋を支持する豚」がSNSでトレンド入り 国民の政治不信と皮肉表現が注目

ノリタケ、刀剣乱舞コラボ商品でTwitterトレンド入り!高価格帯にも関わらず人気沸騰