中国製電気バスに「遠隔制御」機能、北欧で高まる安全保障上の懸念

北欧諸国で運行されている中国製電気バスに、製造元である中国企業が遠隔からアクセスし、制御可能なシステムが搭載されていることが判明し、国際的な波紋を広げている。

この問題は、ノルウェーの公共交通事業者が「メーカー側がこのバスを運行停止や機能不能の状態にすることができる」と指摘したことで表面化した。欧州の電気バス市場で高いシェアを誇る中国のバスメーカー、宇通(Yutong)が製造した車両にこの機能が確認されており、ハッキングやセキュリティに対する深刻な懸念が浮上している。

メーカー側は、遠隔アクセスは「車両のメンテナンス、最適化、サービス改善など顧客のアフターケアを目的としてのみ使用される」と説明している。しかし、SNS上ではこの説明に対する懐疑的な見方が多数を占める。「中国政府から運行を混乱させよと要請があれば断れない法縛りがあるのではないか」といった指摘が相次ぎ、中国の法制度が企業に政府への協力を義務付けている点を問題視する声が多い。

具体的には、遠隔操作による運行停止、ブレーキの無効化、アクセル全開といった意図的な事故の誘発、バッテリーショートによる火災発生、さらにはバスに搭載されたインターネット接続システム、カメラ、マイク、衛星測位システム(GPS)を通じた盗聴や位置情報の把握といった、テロ行為やスパイ活動への悪用リスクが指摘されている。

この電気バスの問題は、中国製製品全般に対する信頼性への疑念を深めている。過去にも中国製監視カメラや太陽光パネル、家庭用ロボット掃除機などにおいても同様のセキュリティリスクが懸念されており、今回のバス問題は、その懸念が公共交通という社会インフラに及んだことで、より一層の緊張感をもって受け止められている。日本国内からも「大阪万博のバスも中国製EVだったよな?大丈夫か?」といった声が上がっており、サプライチェーンにおける地政学リスクへの意識が高まっている。

遠隔制御機能は、メンテナンスや効率化においてメリットをもたらす一方で、その管理主体や悪用される可能性を考慮すると、国家安全保障上の重大な課題となる。各国政府は、公共交通機関を始めとする重要インフラに導入される製品のセキュリティ基準と透明性を厳格に求める必要に迫られている。

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