小野田紀美大臣の週刊誌批判、立憲・杉尾議員との間で取材姿勢巡り論争に波紋

小野田紀美大臣が週刊誌による取材活動を「迷惑行為」とSNS上で指摘したことが、政界とメディアの間で大きな波紋を呼んでいる。この小野田大臣の投稿に対し、元TBS記者である立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員が「言い過ぎではないか」「強い違和感を覚える」と反論。これにより、メディアの取材姿勢やその倫理を巡る議論が、SNSを中心に活発化している。

小野田大臣は、自身だけでなく、関係のない友人や知人に対してまで週刊誌が過度な取材を行ったことに対し、「迷惑行為」であると批判。これに対し杉尾議員は、自身のSNSで「常識を逸脱したようなものでなければ、メディアの取材を『迷惑行為』と決めつけるのは言い過ぎではないか」と投稿し、権力側の人物がメディアからチェックされるのは「当たり前」との見解を示した。

しかし、杉尾議員のこの反論に対しては、SNS上で異論が相次いでいる。特に、杉尾議員が過去に所属していたTBSの報道姿勢、とりわけ「松本サリン事件」における誤報問題や「坂本弁護士一家殺害事件」でのオウム真理教への取材テープ提供問題などを引き合いに出し、「メディアの側こそ自らの過去の過ちを省みるべきだ」「取材される側の感情を理解していない」といった厳しい意見が多く見られた。

多くの投稿者は、「大臣の知り合いは一般人であり、彼らに取材することは迷惑行為に他ならない」「取材の自由と、一般人の平穏な生活を脅かす行為は別物だ」と指摘。また、「マスゴミと呼ばれる理由をメディアは理解すべき」「自分たちの『常識』が社会の常識と乖離しているのではないか」といった、メディア全体に対する批判的な声も目立った。

この論争は、政治家のプライベートな側面を追いかける週刊誌報道のあり方や、権力監視というメディアの役割がどこまで許容されるのか、そして取材対象となる一般市民の権利とのバランスをどう取るべきかという、現代におけるメディア倫理の根幹を問うものとなっている。