「保険金3億円が相続税で消失」SNSで話題沸騰、その真相と相続税への議論

「婆ちゃんが亡くなり、かけた保険金3億円が親の手元に来たが、全て相続税の支払いに消えた。なにこの国😇」――。

この衝撃的なSNSの投稿が、現在インターネット上で大きな議論を巻き起こしています。投稿は瞬く間に拡散され、Yahoo!のトレンドワードでも上位にランクイン。「保険金3億円」という巨額な金額と、それが全額「相続税」に消えたという内容が、多くの人々の関心を集めました。

当初、投稿者の憤りの声に対し、「日本の税制はひどい」「二重課税ではないか」といった共感の声も上がりました。しかし、この投稿の背後にある「相続」と「税金」のメカニズムについて、冷静な分析や専門的な見解が多数寄せられ、議論はより深いものとなっています。

「相続税対策」として賢明な選択か

多くの識者やユーザーが指摘するのは、「保険金3億円が、保険金そのものにかかる税金で全額消失したわけではない」という点です。これは、故人が残した不動産や預貯金、株式などの全遺産に対して課される相続税の納付資金として、保険金が使われたと解釈するのが合理的とされています。

「保険金3億円で相続税が3億円かかるということは、他の資産を含めて総額で14億円ほどの資産を相続しているはずだ」「遺産総額が保険金3億円だけだった場合、全額消えることはない」といった具体的な試算や説明が多数投稿されました。

さらに、多くのコメントで共通して見られたのは、このケースが「資産家による賢明な相続税対策」であるという見方です。現金化が難しい不動産などを多く相続する場合、納税資金に困るケースが少なくありません。そこで、あらかじめ死亡保険金を高額に設定し、相続発生時にスムーズに納税できるよう準備しておくことは、一般的な相続対策の一つとされています。

「これ相続税の支払い用に保険金3億用意しといたって話だろ」「これで他の資産から持ち出しが無いならちゃんと相続の事考えてる賢い婆ちゃんじゃないか」と、故人の生前の準備に対する評価の声も上がっています。

高額な保険金と相続税への疑問

一方で、この話題は日本の相続税制度に対する根強い疑問を浮き彫りにしました。

「一生懸命働いて稼いだお金に所得税払って、亡くなったらまた55％取られるって二重課税じゃない？」「隣の国では相続税ゼロなのに、この国だけ異常に高すぎる」といった声は、日本の相続税率の高さや課税のあり方に対する国民の不満を代弁しています。また、「保険料は保険内容や支払期間で大きく変わるが、死亡保険金3億円となると、月額20万はするかと」と、高額な保険金を支払えるだけの資産を持つ富裕層の実態にも注目が集まっています。

今回の「保険金3億円」を巡るSNS上の議論は、個別の相続事例を超え、日本の税制、特に相続税のあり方、富裕層の資産管理、そして保険の役割について、改めて社会全体で考えるきっかけを提供しています。