生活保護費引き下げ「違法」 最高裁が初の統一判断、受給者側勝訴確定
生活保護費の基準額を巡る訴訟で、最高裁判所は27日、国が行った基準額の引き下げを違法とする初の統一判断を示しました。これにより、全国各地で同様の訴訟を起こしていた受給者側の勝訴が確定しました。
争点となっていたのは、2013年から段階的に実施された生活保護費の基準額引き下げの妥当性です。この引き下げは、物価下落などを反映させたものとされていましたが、受給者らは「生存権を保障した憲法に違反する不当な引き下げだ」として、国を相手取り減額決定の取り消しや損害賠償を求める訴訟を各地で提起していました。
最高裁は、厚生労働大臣が行った基準額改定の判断過程や手続きに「過誤、欠落」があったと指摘し、引き下げは違法であると判断しました。これにより、約10年にわたり各地で繰り広げられてきた一連の訴訟において、最高裁として統一的な司法判断が示された形です。
今回の最高裁決定を受け、今後の国の対応が焦点となります。生活保護基準は、国の様々な社会保障制度や最低賃金などの基準にも影響を与えるため、広範な議論や見直しにつながる可能性があります。判決に対しては、受給者の権利保障を評価する声がある一方で、制度自体のあり方や不正受給対策などを求める意見など、様々な反響が寄せられています。
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