袴田事件:静岡県警本部長が袴田巌さんに直接謝罪
静岡県警の津田隆好本部長は10月21日、袴田事件で再審無罪が確定した袴田巌さんの自宅を訪れ、直接謝罪した。津田本部長は「逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし、申し訳ありませんでした」と述べた。袴田さんの姉、ひで子さんは「58年も前の出来事ですから、私たちは運命だと思っております。巖も私もそう思っておりまして、今さら警察に苦情を言うつもりはありません。きょうはわざわざおいで下さりありがとうございました」と応じた。
袴田事件は、1966年に静岡県で発生した一家4人殺害事件。袴田さんは当初、逮捕され死刑判決を受けたが、その後、再審請求が認められ、2014年に再審開始が決まった。そして、2024年10月17日、最高裁が再審無罪判決を確定させた。
静岡県警は、袴田事件の再審公判で、証拠捏造の疑いが指摘された。今回の謝罪は、この証拠捏造疑惑に対するもので、事件の責任について謝罪したとみられる。しかし、一部のSNSユーザーからは、「謝罪で済むのか?」「検察も謝罪すべき」などの意見が出ており、事件の真相解明を求める声も依然として根強い。
袴田事件は、日本の刑事司法制度における大きな問題点を浮き彫りにした事件である。今回の謝罪は、事件の犠牲者に対する責任を痛感し、事件の真相解明に向けた決意を示すものと言えるだろう。
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