大西洋のクルーズ船でハンタウイルス集団感染の疑い 3人死亡、WHOが注視
大西洋を航行中のクルーズ船「MVホンディウス」において、ハンタウイルスへの集団感染が疑われる事案が発生し、これまでに3人が死亡したことがわかりました。世界保健機関(WHO)もこの状況を注視しており、国際的な関心が高まっています。 報道およびSNS上の情報によると、同船はアルゼンチンを出航し、南極を経由してカーボベルデへ向かう途上でした。現在、船はカーボベルデの首都プライヤ沖に停泊しているとみられます。感染が疑われているのは乗員・乗客ら6名で、そのうち3名が死亡、残る数名も重篤な状態にあると報告されています。また、感染者のうち1名は南アフリカで治療を受けているとの情報もあります。 ハンタウイルスは、主にネズミなどのげっ歯類を宿主とする人獣共通感染症の原因ウイルスです。感染した動物の排泄物(尿やフン)に直接触れたり、それらが乾燥して舞い上がったほこりを吸い込んだりすることでヒトに感染します。発症すると重篤な呼吸器疾患や腎障害を引き起こし、その致死率は40%から50%に達するとも言われています。通常、ヒトからヒトへの感染は稀とされていますが、今回の事案では密閉された船内での集団発生ということもあり、ヒトヒト感染の可能性を含め警戒が強まっています。 このニュースを受け、SNS上では過去の新型コロナウイルスによる「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染を想起する声が相次いでいます。「パンデミックの再来か」「致死率の高さが恐ろしい」といった不安の声が広がる一方で、一部では経済への影響を楽観視する見方や、生物兵器説、ワクチンに対する懐疑的な投稿も散見されるなど、情報の錯綜が見られます。 ハンタウイルス感染症は、日本国内においては感染症法に基づき4類感染症に指定されており、診断した医師には直ちに行政への届け出が義務付けられています。現時点では大規模な流行の兆候は確認されていませんが、国際的な往来が活発なクルーズ船での発生という事態に、各国当局による水際対策の強化が求められる可能性があります。